天候と事故の関係

交通事故が発生しやすくなる条件にはいくつかの種類がありますが、その中の1つが「天候」による違いです。
具体的には、晴れている時と、雨が降っている時では交通事故の死亡率に大きな違いがあることが統計からわかっています。
まずはそのデータについて具体的に紹介します。
ここで紹介するのは、平成10年に取られた統計を元にしているデータです。

平成10年の事故の内、非降水時(ここでは一時間に0mm/hだった場合を指します)の死亡事故件数は7932件でした。
平均観測時間を計算ベースとする場合、7966時間が計算のベースとなります。
このことから、非降水時の死亡事故は一時間当たり0.99件となります。

対して、降水時の場合についてです。
降水時の死亡事故件数は865件と、数自体は非降水時に比べて少なくなっています。
ただし、計算ベースとなる平均観測時間が751時間であるため、計算の結果降水時の時間辺りの死亡事故数は1.15となり、非降水時に比べて0.16ポイント高い事がわかります。

より具体的にデータを観察すると、降水状態、かつ夕方から深夜にかけての時間帯に死亡事故件数が多いという結果となります。
では、何故この降水時には事故が起こりやすくなっているのでしょうか?

雨と事故の関係

では、具体的に雨が振ることと事故が増えることの関係について紹介します。
まず一つ目のポイントとなるのが、視界不良です。
強い雨が降っている状態では、フロントガラスが雨露や曇りなどを生じ、視界不良に陥る可能性が高くなります。
こうなると、晴天時であれば見えたはずの歩行者や二輪車などを視認することが出来ず、事故を起こしてしまう可能性が高くなります。

この自体を防ぐためには、雨が降り始めたらすぐにワイパーを起動させ、視界を確保するようにする必要があります。
また、雨の勢いが強く先が見通せない状態になっている時には一旦停車し、経過を観察することも検討すると良いでしょう。
雨が降ったから急いで帰らなければならない、ということでスピードを上げるのが最も危険な選択となります。

もう一つ雨の時に問題となるのが、路面の状態です。
実際に車を運転している人には当然の認識ですが、車というのはブレーキを踏んだ瞬間に停車するものではありません。
タイヤと路面との摩擦を利用して停車を行っているため、制動にはある程度の距離が必要となります。
路面が乾燥している時に比べて、雨によって濡れている時には摩擦が小さくなり、停車までの距離が長くなります。

具体的に、時速40キロの場合と80キロの場合、乾燥状態と路面が濡れている状態でどの程度の距離の違いが生じるのかを紹介します。
時速40キロで路面が乾燥している場合、空走が11メートル、制動が9メートルで停車に必要な距離は20メートルとなります。
時速40キロで路面が濡れている場合は、空走距離が11メートル、制動距離が13メートルで停車に24メートル掛かります。
4メートルもの違いがあることがわかります。

時速80キロで路面が乾燥している場合、空走距離は22メートル、制動距離は36メートルで停止に必要な距離は58メートルです。
対して路面が濡れている場合には、空走距離は22メートル、制動距離は50メートルで、停車距離が72メートルとなります。
時速が上がるほど路面が濡れていることによる制動距離が二次関数的に延長することがわかります。
このことから、路面が濡れている際には普段より早目にブレーキを踏むことや、スピードを落として運転することが安全に直結することがわかります。